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中卒労働者から始める高校生活

中卒労働者から始める高校生活


中学を出てからすぐに工場で働き始めた、
片桐真実(まこと)。
仕事を始めて3年、それなりに認められ
責任ある「指揮係」をまかされるはずだったのだが……。


なんと、入社したばかりの新人・梶原に
そのポストをさらわれてしまって、心がチクリ。


梶原は大卒で、しかも社長の友人の息子だという。
年は下でも “先輩”のはずの真実にタメ口をきき、
何かと上から目線で頭にくることこの上ない!



そう、真実が中卒で働いているのは、
3つ下の妹・真彩の学費を稼ぐためだ。


真実の父親は刑務所に入っている身。
親戚が家を貸してくれてはいるが、
外聞を気にしていっさい近寄らない。
事故死した母親の保険金もあり、
どうにか生活は成り立っているのだが、
それだけでは心もとない……。


ところが、真彩は肝心の高校受験に失敗してしまい、
そこで浮上したのが通信制高校という選択肢だ。



これまで中卒だって問題ないと思っていた真実だが、
梶原との一件で心が変わる。


スクーリング(授業)は週1回でOKなので
仕事との両立も問題なし!


こうして同級生たちから3年遅れての
高校生活がスタート。
もう、だれにも笑わせない。
青春するつもりなんて一切ない。


肩を怒らせて入学式に臨んだ真実だが……。



舞い散る桜の下にたたずむ彼女ーー莉央に
思わず目を奪われてしまった!!


ところが、風で莉央のスカートがめくれたところを
バッチリ見てしまったのを根に持たれ……
初対面から「犬猿の仲」決定!?


通信制高校に集う生徒はそれぞれにワケありで
お嬢様然とした莉央も、
実は深刻な事情を抱えていてーー。


自分を支えてきた意地の裏側にある卑屈さ、
それもある種の選民意識だと気づいてゆく真実の、
遅れてきた青春譚。
ほろ苦くも甘やかな恋と友情の日々がここにある。



<文・粟生こずえ>
マンガ・児童書分野を中心とする編集者&ライター。宝島社「このマンガがすごい!」のメインライター。
高円寺「円盤」にてブックトークイベント「四度の飯と本が好き」毎月第2水曜日開催中。
ブログ「ド少女文庫」(http://ameblo.jp/doshoujobunko/)



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