神様がくれた背番号
野球に詳しくない人でも楽しめる、
クライマックスは思わず胸が詰まる感動作!
ペナントレース開幕戦、
阪神タイガースのファンたちが注視するマウンドに
現れた背番号91は謎の40歳ルーキー、
飛田謙吉こと“ケンちゃん”。
アスリートらしからぬヒョロヒョロの体、
その顔は見るからに緊張でコチコチ!
何を隠そう、彼は神の力でここに導かれたのである……。
元タクシー運転手からホームレスに身を落としたケンちゃんは気弱だがとにかく優しい性格で、仲間にも好かれている。
そして、彼のホームレス小屋をひんぱんに訪ねてくる
小さな親友が小学生のタケ坊だ。
タケ坊は野球が好きで熱狂的な阪神ファンだが
生まれつき心臓が弱くいっさいので運動を止められている。
そのため学校では同級生に仲間はずれにされがちのようだ。
そんなある日……ケンちゃんのもとに“神様”が現れて
何かひとつ願い事をかなえてくれるという!
心やさしいケンちゃんは
タケ坊の心臓を治してやってほしいと願うが、
あいにく他人に関する願い事はダメだそう。
どうやら神様はホンモノだったらしい。
しかし根がヘタレなケンちゃんが
果たしてプロでうまいことやっていけるものやら…!?
絆が人の心を強くする、
そして勇気が新たな奇跡を呼ぶーー。
可能性をまっすぐに信じたくなる
ハートフルで、笑えて熱い物語だ。
<文・粟生こずえ>
マンガ・児童書分野を中心とする編集者&ライター。宝島社「このマンガがすごい!」のメインライター。
高円寺「円盤」にてブックトークイベント「四度の飯と本が好き」毎月第2水曜日開催中。
ブログ「ド少女文庫」(http://ameblo.jp/doshoujobunko/)