三石メガネによる同名小説を原作に、合田蛍冬がマンガを描く『小悪魔教師サイコ』。
問題児が集まり、陰湿ないじめが行われているクラスに赴任してきた新米教師・葛西心春。教師いじめを颯爽とかわし、いじめへの報復を楽しむ彼女は、実は正真正銘のサイコパスでした。
「生徒の幸せを守る」という信念を、独自の理論と過激な教育で貫く、究極のサイコサスペンス物語です。
ここでは、そんな『小悪魔教師サイコ』のあらすじと見どころ、押さえておきたい登場キャラについてまとめました。
あらすじ
©合田蛍冬/ぶんか社
©三石メガネ/taskey inc.
教師いじめにあい、入院した前任の教師に代わりに担任として赴任してきたのは、葛西心春という新米女教師でした。
クラスのリーダー格の女子・金沢彩羽は心春をバカにするような目で見ていました。男子生徒の秋月竜斗・佐々木陸が中心となり心春へ皮肉を込めた質問が飛びますが、心春はこれを涼しい顔で受け流します。
この様子に彩羽はますますイライラしました。
一方で、真面目な女子生徒・冬川アザミは、これまでの教師と違い生徒の攻撃に動じない心春に憧れの眼差しを向けています。
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教師いじめに屈しない小春にいらだつ彩羽は、アザミに心春を階段から突き落とすよう命令します。やりたくないと思うアザミですが、動画の件があるため、心春の背中に手を伸ばします。
しかし、アザミの腕は空振りし、落ちそうになったアザミを心春が受け止めるのでした。
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アザミは心春にいじめられていることや卑猥な動画を撮られていることなど、すべてを告白しました。
心春は「私がここにいるのは生徒の幸せを守るため」と語り、あとは自分が引き受けると言いました。心春を心配するアザミですが、心春がうれしそうに笑みを浮かべていることに気づき、小さな恐怖を感じるのでした。
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アザミが反抗すると、彩羽はアザミの顔面を殴打して脅迫の言葉を浴びせ続けます。そこへ竜斗と陸が合流し、アザミの制服を無理矢理脱がせて動画を撮影し始めました。
その時、心春が現れ、見張りの女子生徒に腹パンを食らわせたのです。
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一触即発の現場でしたが、竜斗が「遊びの延長」だったと言い出し、陸もそれに便乗しました。
その場をあとにする心春とアザミ。彩羽を怒らせてしまったと震えるアザミに、心春は教師として守ると笑いかけます。
ブチギレ状態の彩羽は、自宅でイライラを募らせていました。アザミの動画を拡散してやろうと思いついたところ、玄関のチャイムが鳴ります。
そこに立っていたのは、心春でした。
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「人に殴られるってどんな気持ちですか?」
逃げ出した彩羽を捕まえて、殴りながら、話をしにきたと言い心春はほほ笑みました。
彩羽を拘束した心春は、「あなたはご両親に愛されていない」と彩羽の胸の内をえぐります。
絶望に涙を浮かべる彩羽に、心春は、救われるための方法がひとつだけある、と提案をします。
それは、死ぬこと。
心春は、体育の時間に没収していたという竜斗のナイフを取り出しました。拒絶する彩羽の身体をナイフで切り刻み、彩羽は間もなく絶命しました。
翌日、心春は神妙な面持ちで彩羽が亡くなったこと・犯人が捕まっていないことを2年B組の生徒たちに伝えます。
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彩羽の家に着くとダウンジャケットの入った紙袋が外に置かれており、彩羽とは会っていない竜斗。それもそのはず、その時彩羽は心春に殺害されていて、彩羽のスマホを使って竜斗を呼び出していたのは心春だったのです。
持ち帰ったダウンジャケットを見ると、おびただしい量の血がついていました。自分たちの証言には意味がないという心春の言葉を思い出した竜斗は、自分が犯人と疑われるのではと恐ろしくなります。
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その様子を見ていた中で、竜斗だけは、彩羽の死を自分の武器のように利用した心春が不愉快に映りました。
彩羽がいなくなり平和な学校生活の中で、心春は恩師のことを思い出していました。
小学生の頃、衝動に駆られてスコップでマルイ先生を殴った心春。
心春のサイコパス性を見抜いていたマルイ先生は、血まみれになりながら、心春のもつ天性の強さは正義のために使うようにしなさい、と幼い心春を諭したのでした。
殴られてもなお生徒の幸せのために教えを説くその姿に衝撃を受けた心春は、マルイ先生のようになりたいと教師を志すようになったのです。
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この続きは、ぜひ本編でご覧ください。
押さえておきたい登場キャラ
葛西心春(かさい・こはる)
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生徒たちからのいじめにまったく動じない。
冬川アザミ(ふゆかわ・あざみ)
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彩羽たちのいじめのターゲットにされる。
金沢彩羽(かなざわ・あやは)
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アザミをいじめる主犯格。心春に殺害される。
秋月竜斗(あきづき・りゅうと)
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心春のことが気に入らず、陥れようとする。
ここが見どころ!注目ポイント
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サイコパス×教師という異色の設定で繰り広げられるホラー的展開は、怖いもの見たさでページをめくる手が止まりません。
マルイ先生とのエピソードがなかったら大人になった心春はどんな信念を掲げどんな生き方をしていたのか…想像するとゾッとします。
心春の手によって排除されるのもまた生徒ですが、彼らは人を傷つけてきました。いささか同情の余地はあるものの、傷つけられた側の立場に立つと、勧善懲悪的な痛快さのある作品です。
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