『ENNEAD』は、エジプト神話で有名なセトとホルスの対立を愛憎劇として美しく描いた作品です。
韓国で人気を博したBLマンガで、日本語だけでなく英語、フランス語、ドイツ語、タイ語、中国語などに翻訳され、アジアやアメリカ、ヨーロッパでも人気を集めています。
そんな『ENNEAD』には、どのような魅力があるのでしょうか。この記事では『ENNEAD』のあらすじや登場人物、見どころを紹介していきます。
©Mojito/ SEOUL MEDIA COMICS, INC./libre
あらすじ
遥か遥か昔。「エネアド」と呼ばれる九柱神のうちのひとり、セトの暴政にエジプトの地は疲弊していた。
他の神々までセトに頭を下げるなか、まだ神に名を連ねていない若者ホルスが反旗を翻す。傲慢で奔放なセトを玉座から引きずり落とさんと戦いを挑むホルス。二人の関係は次第に執着と欲望を孕んで…!?
エジプト神話をもとにした一大叙事詩BLがここに開幕!
詳細を知りたいなら!
詳細を知りたいなら!
『ENNEAD』の登場人物
セト
©Mojito/ SEOUL MEDIA COMICS, INC./libre
赤い目と赤い髪を特徴とした魅力的な容姿をしていますが、普段はマスクをしています。砂嵐を起こすことができる神であり、砂を自由自在に扱い戦います。
兄・オシリスを殺害してエジプトの王になり、戦争と略奪が横行する暴政を敷くようになりました。口が悪く粗悪な性格ですが、もともとは愛情深く誇り高い人物です。
厄災の神により秘密を告げられたことで、絶望し現在のような暴君となってしまった過去も次第に明かされていきます。
ホルス
©Mojito/ SEOUL MEDIA COMICS, INC./libre
「天空の代行者」として隼のマスクをしていますが、完全な神ではなく「半神」になります。
エジプトの王座をかけてセトと三本勝負を挑み、風を使った攻防でセトに対して一歩もひけをとりません。
マスクをしていることもあり普段は表情を見せることはありませんが、セトに対して強い執着心を見せます。
オシリス
©Mojito/ SEOUL MEDIA COMICS, INC./libre
魔法の神・イシスを妻に持ち、ホルスの父親でもあります。強大な力を持つ神で、エジプトの王として繁栄をもたらした名君として慕われています。
その一方、弟・セトに対する強い執着を抱いており、数千年にわたり必死に手を尽くしていました。
セトに殺されて、ナイル川に流された死後は冥界・ドゥアトの王となりましたが、その後もセトに対する強い執着を持ち続けています。
アヌビス
©Mojito/ SEOUL MEDIA COMICS, INC./libre
2柱の神から生まれたにも関わらず呪いによって完全な神になることができず少年のような姿をしています。
暴君である父・セトに絶望していますが、監禁された母・ネフティスを救い出そうと奔走する心優しい青年です。
セトから武術を指導されていたことから、槍術や弓術などで一定の実力を持つ人物でもあります。
『ENNEAD』の見どころ
縦読みマンガならではの表現や演出でどんどん読み進められる作品です。
以下で3つの見どころについて詳しく紹介していきます。
見どころ①迫力ある神々の愛憎劇
©Mojito/ SEOUL MEDIA COMICS, INC./libre
『ENNEAD』では、一連の騒動の裏側にセトに対する神々の愛があるとしています。兄弟愛や家族愛を超えたその愛は次第に執着に変化し、さらなる愛憎劇へとつながっていきます。
それぞれの神が持つ執着心が複雑に絡み合い作り上げられる愛憎劇は非常に魅力的で、思わず引き込まれる方も多いでしょう。
見どころ②繊細で躍動感のあるイラスト
©Mojito/ SEOUL MEDIA COMICS, INC./libre
繊細なタッチでエキゾチックな登場人物やエジプトの世界を丁寧に描いています。エジプト神話ならではの独特で美しい衣装や、縦読みのマンガならではのダイナミックなバトルシーンなどが魅力です。
槍や弓、剣などを使ったバトルもありますが、神々の戦いということで砂や風を使ったバトルが展開することもあり迫力満点です。
異次元の戦いが繊細かつ大胆に描かれており、思わず手に汗を握ってしまう方も多いでしょう。
見どころ③神々の立場や思惑がわかりやすい設定
©Mojito/ SEOUL MEDIA COMICS, INC./libre
エピソードを読み進めていくにつれ、神々の名前や立場だけでなくその思惑も自然に理解することができる点も『ENNEAD』の魅力です。
また実際のエジプト神話では、セトの顔は獣そのものですが、『ENNEAD』ではマスクを被っています。口元が確認できるマスクであるため、登場人物の表情がわかりやすいです。
エジプト神話について知識がない方でも楽しく読めて神話の勉強になるでしょう。
『ENNEAD』はこんな人におすすめ!
崇高な印象の強い神話ですが、『ENNEAD』の神々は深い愛情を抱いていたり、嫉妬心を抱いたりするだけでなく、強い執着を露わにすることもあります。
一般的に伝わっている神の姿を別の角度から楽しみたいという方には非常におすすめの作品です。人間味のある神々の姿に親近感を覚えるでしょう。
エジプト神話のエピソードを丁寧に説明しているため、「エジプト神話に興味がある」という方や「勉強してみたい」と思っている方にも興味深く読んでいただける作品です。
『ENNEAD』を読んでいる人にはこの作品も人気!
BL要素を含む作品という点でも『ENNEAD』と共通しており、「エジプト神話」×「BL」のコラボレーションを楽しみたい方には非常におすすめの一作です。
エジプト神話の神の能力や性格をより知りたいという方には、『イマドキ☆エジプト神』をおすすめします。
現代社会で生活するエジプト神を描いた作品で、台詞はありませんがコミカルなタッチでエジプト神について描かれています。少し人間味のあるエジプト神に触れることができる点が『ENNEAD』との共通点です。
『ENNEAD』を読んでいる方は、ぜひ上記の作品も読んでみてください。以下で2作品のおすすめポイントを紹介します。
エジプト神の恋人
©町子/双葉社
<作品詳細>
<冥界の神・アヌビス×失恋したゲイの大学生>「私に委ね、快楽に身を任せるのだ」
傷心旅行でエジプトを訪れていた大学生・深青が出会ったのは、 アヌビスと名乗る褐色のイケメン!?
二千年ぶりに名前を呼んでくれたお礼にと、 一晩じっくり望みをかなえてもらうことになるが―?
エジプト神と人間の、ナイル川よりも永い愛を描く、短篇連作!
<おすすめポイント>
神々にまつわるエピソードがわかりやすく伝えられているだけでなく、BLであるという点も『ENNEAD』との共通点です。
現代人との関係が進展していくにつれ、神が徐々に淫らになっていく様子にドキドキさせられる方も多いでしょう。
舞台は現代のエジプトということもあり、『ENNEAD』のようなエキゾチックな雰囲気もしっかりと感じられる魅力的な作品でもあります。
詳細を知りたいなら!
詳細を知りたいなら!
イマドキ☆エジプト神
©美影サカス/一迅社
<作品詳細>
「comic POOL」&「Febri」で大好評連載中! Twitter&pixivでエジプト神ブームを巻き起こしたあの4コマシリーズが、 初期作品の加筆修正&描き下ろしを加えてついに書籍化!!
<おすすめポイント>
スーツ姿を着て会社で働くアヌビス、石板を掘り出すトトなどエジプト神たちのシュールな日常生活がコミカルに描かれています。
行動は神々の性質に基づいているため、『ENNNEAD』でエジプト神について理解を深められた方は楽しんでいただける作品だと思います。
エジプト神に関する豆知識も作中で紹介されているため、『ENNEAD』とは違う角度でエジプト神話を楽しめる点も魅力です。
詳細を知りたいなら!
詳細を知りたいなら!
まとめ
©Mojito/ SEOUL MEDIA COMICS, INC./libre
悠久のときを生きる神々だからこそなしえる愛憎劇は、官能的なだけでなく時には暴力的でもあります。狂気じみた愛も丁寧に描かれており、非常に読み応えがある作品です。
エジプト神話について丁寧かつわかりやすく描写がされている点も本作のおすすめポイントになります。エジプト神話に馴染みがない方だけではなく、エジプト神話を好きな方も楽しんでいただける作品です。
ピッコマでは『ENNEAD』だけでなく、数多くの魅力的なマンガを読むことができます。『ENNEAD』に興味がある方は、ぜひピッコマでチェックしてください。
詳細を知りたいなら!
詳細を知りたいなら!
毎日漫画が無料で読める!