東京シャッターガール
セーラー服が似合う、涼やかな瞳のヒロイン・夢路歩は高校の写真部に入って3か月のカメラ初心者。
自己表現だとかアートだとか……
そんなことはみじんも頭になく、
今はただ興味をひかれるままに シャッターを押すのみ。
だんだんと自分なりの楽しみを発見、
お気に入りの場所もできたりして。
歩けば歩くほど
街には切りとってみたい風景がいっぱいだ!!
ちょっと立ち止まって行き交う人と、会話を交わすことも多々。
それは、目的を急がず
ゆったりと街を見わたしているからこその出会いである。
現代では知らない人に声をかけることは
なかなかハードルが高いけれど……
尻込みばかりしていたら、
大好きだったものはいずれ
私たちの生活から失われていくのだろう。
古きをたずねて新しきを知るーー
「温故知新」を地でいく歩。
その写真には、人へのやさしさと
世界への好奇心があふれている。
ちなみに歩は、フィルム式カメラ派!!
カメラ好きの方は彼女の愛機にもぜひ注目を。
芥川龍之介ゆかりの地、田端文士村。
東京で唯一の渓谷である、世田谷区の等々力渓谷。
伝説のマンガ家たちが青春のときを過ごした「トキワ荘」の街。
羽子板市に湧く年の瀬の浅草・浅草寺、等々……。
各話に「今回の撮影ポイント」のマップつき、
さらに歩が訪れた場所についての解説もあり。
<文・粟生こずえ>
マンガ・児童書分野を中心とする編集者&ライター。宝島社「このマンガがすごい!」のメインライター。
高円寺「円盤」にてブックトークイベント「四度の飯と本が好き」毎月第2水曜日開催中。
ブログ「ド少女文庫」(http://ameblo.jp/doshoujobunko/)