妄想で書いた小説によって命の危機に⁉︎一冊の本をめぐる皇子とのラブロマンス『皇子さまにハマってます』
スリルが好きで、甘酸っぱい恋愛マンガでは物足りなくなったあなたに
人生はなにが起こるかわからない。憧れの人に再会するのも、自分の命が狙われるようになるのも、ほんの些細なきっかけから。
今回ご紹介する作品は、とある一冊の本をきっかけに、皇族同士の対立に巻き込まれてしまった不運な女性の物語。
どうしてこんなことになってしまったのだろう。
誰にも見せるつもりはなかったのに。本として売るつもりもなかったのに。
しかも、それがきっかけでスパイ容疑をかけられるなんて。
私、いったいどうなってしまうのだろう?
それまでただの村娘であったアンジェラは、自分の身に起こっている状況にただ困惑するしかなかった。
なぜこうなってしまったのか、話は少し前にさかのぼる。
主人公のアンジェラは、田舎に住む普通の女性であった。ただ、彼女には「文才」があった。
その力を使って様々な書類の代筆を行い、生計を立てていた。
彼女には憧れている人がいる。この国の第一皇子である。遠い昔に一度、自分を助けてもらった過去があるのだ。
記憶の中の彼は、私に対して優しくしてくれた。ただ、今の皇子には残虐酷薄という評判が広まっている。
詳しいことはよくわからない。でも、自分を助けてもらったという事実は変わりない。
アンジェラはその思いから皇子を日々慕っているのであった。
そんな時、事件がおこる。
ひょんなことからアンジェラが一人でこっそり執筆していた、皇子に関する妄想小説が世に出回ってしまう。
しかも、ただ出回るだけでなく、多くの人に読まれベストセラー作品になってしまった。
どうしようと思っていたのも束の間、彼女のもとに衛兵が訪れる。
え、スパイ?そんなまさか!
私は違う!という否定も虚しく連行されるアンジェラ。
いったいどうしてこんなことに…
事態をうまく飲み込めないまま、ガタガタとオンボロな馬車で輸送されるアンジェラ。
今にも壊れそうな雰囲気が余計に彼女の不安をあおる。
どうしよう・・・逃げようかしら?
思いがけないことに戸惑うアンジェラ。すると、そこに衛兵たちの会話が聞こえてきた。
なぜどうせ殺すのに、わざわざ連行するのかと。
それを聞いた瞬間、逃げる決意を固めるアンジェラ。
開いたドアの前に立つ。ガタガタと相変わらず揺れ動く車体。怖い・・・。
しかし、怯える心を奮い立たせて、勇気を持って飛び降りた。
え、誰!?
なぜか覆面の男にキャッチされる。
そしてそのまま、また馬車に押し込まれてしまった。
怪しい男が馬車を襲撃。護衛していた衛兵たちの断末魔が聞こえる。
あ、私は死ぬんだ。そのまま眠るようにして、アンジェラは意識を失った。
しかし、アンジェラは死ななかった。それどころか、よりわけのわからない状況に陥る。
なんと、憧れの第一皇子レーバン公爵の屋敷に運び込まれていたのだ。
どうやら本の内容を読んでひどく不機嫌そうである。
その後、部屋にレーバン公爵の双子であるホヤ皇女が入ってきた。
アンジェラがいま屋敷にいる理由を作った人物である。
ホヤ皇女はアンジェラに話す。
あなたの本には大きな影響力があった。それを無視できない第二皇太子たちの手によって、あなたは処刑されるところだった。
ただ、あなたの本のおかげで私たちのイメージは向上した。
だから、これからあなたの身を守る代わりにあの本の続きを書いて欲しい。
本の作者が自分だとバレれば、今後、自分の身の安全は保障されない。選択肢はないのだろう。
こうして、本の続きを書くことになったアンジェラ。
憧れの人のそばにいられるようになったものの、常に危険と隣り合わせ。
果たしてアンジェラの人生は、そして恋はどうなってしまうのか。
いたずらな運命によって引き合わされた彼女たちがいかにして絆を深めていくのか、今後も見守っていきたい。
©ZOO SUN