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コアな人気を誇る、アングラ劇原作の漫画『ライチ☆光クラブ』

コアな人気を誇る、アングラ劇原作の漫画『ライチ☆光クラブ』

『ライチ☆光クラブ』は『マンガ・エロティクスF』(太田出版)で連載されていた、鬼才・古屋兎丸の人気漫画。

80年代の演劇を原作に、醜い大人になることを拒んだ9人の少年たちの愛憎や、彼らが作り出したロボットと美少女の純愛を耽美に描きます。
今なおコアな人気を誇る『ライチ☆光クラブ』の魅力をご紹介します。

『ライチ☆光クラブ』とは。熱狂的人気を誇ったアングラ劇が原作

『ライチ☆光クラブ』は、かつて存在した劇団「東京グランギニョル」の舞台が原作です。
飴屋法水(あめや・のりみず)率いるこの劇団は、1984〜1986年までの約2年間しか活動していません。

発表した作品も『ライチ光クラブ』を含むたった4作品のみです。しかし、にもかかわらず耽美なアングラ劇は熱狂的な人気を誇り、今なお伝説的存在として語り継がれています。

作者の古屋兎丸氏も、その舞台に魅せられた一人でした。「東京グランギニョル」に出会い、アングラ文化に傾倒していった古屋氏。自身も演劇を始めますが、のちに劇団は解散してしまいました。

その時の後悔が「『ライチ光クラブ』の漫画を描きたい」という気持ちに繋がったといいます。

古屋兎丸氏が20年の時を経て漫画『ライチ☆光クラブ』の連載をスタートすると、瞬く間に若い世代から熱い支持を受けます。さらに木村了、中尾明慶らでリメイク版の舞台が上演されています。

また2015年には残酷歌劇『ライチ☆光クラブ』として中村倫也、玉置玲央らでミュージカル化されました。

本作の世界観を音楽で表現する音楽ユニットも結成され、ファンの間でもキャラクターのコスプレをする人が相次ぐなど、世代を超えて愛され続けている作品なのです。

あらすじ

2話P24

©古屋兎丸 / 太田出版

工場の煙に覆われた螢光町。その片隅に、学生服に身を包んだ9人の少年たちが集う「光クラブ」の秘密基地があった。彼らはある崇高な目的のために、優美なる機械「ライチ」を創り上げる。

少年たちに命令され、1人の美しい少女・カノンを光クラブに連れてくるライチ。彼女を女神として崇め奉る少年たちだったが、その出来事をきっかけに光クラブは崩壊へと向かい始めるのだった。

『ライチ☆光クラブ』の登場人物

2話P9

©古屋兎丸 / 太田出版

ゼラ(常川寛之)

光クラブの現リーダー。
元々は転校生でクラブには途中から参加したが、そのカリスマ性と才気でクラブを統治するようになった。

ライチを使い、醜い大人たちのいない世界を作ることを目的とする。目的のためには手段を選ばず、独裁的に振る舞う。

ライチ

光クラブの少年たちによって創られた優美なる機械(ロボット)。
動力源は、楊貴妃も愛した“永遠の美”の象徴、ライチの実。

「美しいもの」を連れて来いというゼラの命令を最初は理解できなかったが、デンタクが施した設定により美を理解できるようになる。

カノン

ライチによって光クラブに連れて来られた美しい少女。
クラブへの恐れから寝たふりをしていたが、少年たちのいない間にライチと心を通わせる。

タミヤ(田宮博)

光クラブの創設者。
光クラブの“光”は、最初のメンバーであるタミヤ(ひろし)、ダフ(かつや)、カネダ(りく)の頭文字から取ったもの。普通の秘密基地をゼラによって捻じ曲げられたことに不満を抱いている。

ジャイボ(雨谷典瑞)

少女と間違えられるほどの美少年。
デンタクが「奇人で変人」と称するほど、その行動は狂気に満ちている。ゼラとは、友情を超えた関係性で結ばれているが……。

本作屈指の人気キャラクター。

ニコ(石川成敏)

ゼラに絶対的な忠誠心を誓う少年。
自分はゼラにとって一番の存在であると信じているが、ある光景を目にしたことで、変化が訪れる。

雷蔵(市橋雷蔵)

女性のような仕草と話し言葉が特徴的な少年。
自分の容姿を誇りに思っている。裁縫が得意で、ライチの顔を縫い合わせて作った。

カネダ(金田りく)

光クラブの初期メンバーで、タミヤやダフとは幼なじみ。
内向的な性格で、常に前髪で顔を隠し、親指の爪を噛んでいる。

ダフ(田伏克也)

光クラブの初期メンバーで、タミヤやカネダとは幼なじみ。
右目に眼帯を当てている。美しいカノンに対し、性的な感情を抱く。

デンタク(須田卓三)

丸眼鏡をかけた少年。
中学生でありながらプログラミング能力に長け、特殊な設定でライチに美の概念を与えた。人間の心を機械に宿す野望を持っている。

ヤコブ(山田こぶ平)

よく笑う陽気な少年。
雷蔵やデンタクとは仲が良く、頻繁につるんでいる。

世代を超えた人気作『ライチ☆光クラブ』の魅力

中二病ここに極まれり!ロマン溢れる世界観

1話P11

©古屋兎丸 / 太田出版

「黒い煙と黒い油に覆われた老いた町」に生まれた9人の少年たち。娯楽のない陰鬱とした空気の中で、彼らは“醜い”大人たちへの嫌悪感を募らせていきます。

そんな彼らにとって光クラブは若く美しく、志を共にした者だけが集まるユートピア(=理想郷)なのです。

光クラブは当初、単なる少年たちの秘密基地ごっこに過ぎませんでした。しかし、彼らは次第に外の人間を「愚かで価値のない人間」とみなし、自分たちを崇高な存在と思い込んでいきます。

そして、少年たちの勘違いは暴走し、最悪の結果を招いてしまうのです。『ライチ☆光クラブ』には世代を問わず誰もが経験したであろう少年期の屈折した感情など普遍性があります。

残虐な暴力描写などはありつつも、どこか心の中に宿る子供の自分が惹かれてやまない魅力のある作品です。

ロボットと人間の美しい純愛

5話P33

©古屋兎丸 / 太田出版

圧倒的なカリスマ性を誇るゼラを中心とした光クラブが、愛憎と裏切りによって崩壊し始める様子を描く『ライチ☆光クラブ』。“美しさ”を絶対視する彼らが“醜い”争いに身を投じていくのは、何とも皮肉めいています。

また、少年たちの抗争と同時進行で描かれるのが、ロボットのライチと美少女・カノンの純愛です。単純な思考を持つライチはゼラに命令されるがまま、邪魔な人間をいとも容易く手にかけていきます。

そんなライチに人間の心を教えていくのがカノンです。

少年たちの目を盗み、少しずつ心を通わせていくライチとカノン。その光景は美しく、裏で繰り広げられる血にまみれた争いとのコントラストが際立ちます。

二人の純愛は光クラブをどんな結末に導くのか、本編でぜひ確かめてみてください。

推し活もはかどる。一癖も二癖もある少年たち

1話P29

©古屋兎丸 / 太田出版

本作が熱狂的な人気を誇る理由の一つとして、少年たちの強烈な個性が挙げられます。

言動は残虐極めるが裏切りを恐れる精神的な弱さも秘めたゼラ、硬派な性格で正義感と友情に厚いタミヤ、狂気的なほどにゼラに対しての忠誠心が強いニコ、地味で大人しいが内なる野望を秘めたデンタク……。

それぞれに魅力的な部分と思わず共感してしまうコンプレックスがあり、いわゆる“推し”を見つけることができる作品といえます。学ランに学生帽という昨今少なくなった風貌にもロマンを感じる人が多いようで、コスプレ文化も盛んです。

特に圧倒的な支持を集めているのが、ジャイボ。「東京グランギニョル」の舞台で飴屋法水が演じ、その美しさのあまり心を奪われる人も続出しました。

また、彼のゼラに対する屈折した愛情も人気を得ている理由の一つ。二人のエロティシズムな禁断の関係にドキドキする読者も多いようです。

「ピッコマ」で今すぐ『ライチ☆光クラブ』をチェック

耽美でミステリアスな世界観の中に、リアルが混在する『ライチ☆光クラブ』。一度足を踏み入れたら、どこまでも沼にハマってしまうような魅力が本作にはあります。

「ピッコマ」Webでは『ライチ☆光クラブ』第壱(1)話を無料で読むことができます!
ぜひ本作の“終劇”までを見届けてください。

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