『マザーパラサイト』が面白い！あらすじ、主要キャラまとめ

サイコ・サスペンス漫画、『マザーパラサイト』。
里親の義母と共に暮らす主人公の涼太。児童養護施設で育ち、本当の母親を知らない中学生の涼太が、究極の母親探しに取り憑かれるという、今注目の作品です。

作者は『スズキさんはただ静かに暮らしたい』でデビューした漫画家・佐藤洋寿。代表作には『屍牙姫』などがあります。

ここでは、そんな『マザーパラサイト』のあらすじと見どころ、押さえておきたい登場キャラについてまとめました。

あらすじ

©佐藤洋寿／コアミックス

ある児童養護施設で「生命の進化とは、究極の母親を探す長い長い旅なのです」というナレーションの流れるテレビ番組を食い入るように見る主人公・涼太。

数年後、中学二年生になった涼太は里親となった早苗の姓を名乗り、三木涼太として暮らしていました。本当の親子のように、仲睦まじく暮らしているかのように見える2人。

しかし、涼太は「朝食の魚の骨を1本取り除けなかった」など、涼太にとって思わしくなかった早苗の行動を毎日ノートに記録していました。

そして、早苗は、涼太の母親でいたいと思うあまり、常に涼太の顔色を伺っていたのでした。

©佐藤洋寿／コアミックス

一方、涼太の男子同級生・笠井薫の家庭も母子家庭でした。
薫の母親であるリカは、中学二年生の息子を溺愛する、超「過保護」な親。しかし、リカの息子である薫自身は、ベタベタとお節介な母を嫌がっています。

そんな母親をもつ薫は、学校でいじめられています。母・リカに包皮のケアをしてもらっていることをバラされ、教室中の同級生に「キモい」「変態」などと笑われてしまいます。

©佐藤洋寿／コアミックス

そこに登場したのが、同じクラスで学級委員長を務める涼太でした。近親相姦だと言う同級生の仲村に対し、涼太は自身の豊富な知識で薫をかばいます。

それにキレた仲村に、涼太は「だったらお母さん取り替えちゃえばいいのに」と、狂気じみた笑顔で言い放つのでした。

©佐藤洋寿／コアミックス

この騒動の後、薫は感謝を込めて涼太を「涼太くん」と呼び、一緒に帰ることに。

薫の住むマンションが目の前に見えてきたところで、母・リカが1人立っていました。「薫がちゃんと無事に帰ってきた」と涙ぐみながら喜び、薫に駆け寄るリカ。

涼太は、リカに自己紹介をしようとしますが、リカは「あんたは邪魔ッ！」と、ものすごい剣幕で涼太を突き放し、薫を抱きしめました。

©佐藤洋寿／コアミックス

そんなリカの様子を見た涼太は、改めてリカに挨拶をしたのでした。

後日、薫の家を訪問した涼太は、先日のことをリカに謝罪されます。過保護な自分を自虐的に笑うリカですが、「薫がまだ子宮の中に入っててくれればいいのに」と想像することがあると打ち明けます。

それを聞いた涼太は「実は人間は早く産まれすぎている」と話し「おばちゃんは正しい母親ですよ」と言います。その言葉にリカは驚きながらも、自身を肯定された気持ちになるのでした。

©佐藤洋寿／コアミックス

その後、涼太は早苗に「お母さんは僕をお腹の中に入れたい？」と質問をします。早苗は「毎日涼太の顔をちゃんと見ていたい」と答えますが、涼太は「お母さんはそっちか…」と呟きます。

涼太の反応に動揺する早苗。とぼける涼太ですが、その後「あの人（リカ）なら自分を胎内に入れてくれるかな」と想像するのでした。

©佐藤洋寿／コアミックス

リカを自分の母親にするために綿密な計画を立てた涼太は、笠井家で過ごす時間を増やすための行動に移ります。

©佐藤洋寿／コアミックス

早苗が検査入院をする日、薫の家にカレーを食べに行くことになった涼太。大雨の影響もあり、涼太の計画通り、薫の家に泊まることに。その夜中に起き出した涼太は、リカの部屋に侵入します。

すると涼太はリカのパジャマを剥ぎ、リカの体を細かく計り、ノートにその詳細を書き込み始めます。そして、リカの産道を見つめ「僕もここから産まれたかったな」と観察するのでした。

すると、寝ぼけたリカが目を開け、涼太が薫のフリをすると、涼太はリカの胸の中で3時間も寝てしまいます。そして「やっぱり今までのお母さんと全然違うな」と思うのでした。

©佐藤洋寿／コアミックス

翌朝、早苗がいる病院へ迎えに行く涼太。家に帰ると、涼太は裸の早苗の足を開き、産道を凝視します。しかし涼太は、興味の失せた目で「うん、なるほど…」と答えるのでした。

その後、自分の部屋で涼太は、「やっと見つけたんだ…僕の本当のお母さん…！」と目を輝かせ、リカを母親にすることを決意するのでした。

©佐藤洋寿／コアミックス

果たして、涼太はどうやって早苗からリカに取り替えていくのでしょうか？本当のお母さんを求める涼太と、彼に翻弄される母親たちの歪んだ愛情物語を、ぜひ最後まで見届けてください。

押さえておきたい登場キャラ

三木涼太（みき・りょうた）

©佐藤洋寿／コアミックス

中学二年生。血のつながっていない母親と暮らしている。
学校では学級委員を務め、品行方正で美男子、勉強もできるため人気がある。

笠井薫を助けたことをきっかけに、薫と仲良くなり、その母親であるリカからも好かれるようになる。

三木早苗（みき・さなえ）

©佐藤洋寿／コアミックス

涼太と共に暮らす女性。
涼太を実の息子のように可愛がっている。その一方で、いつか涼太の母親でいられない時が来るのではないかと、ビクビクしている。

笠井リカ（かさい・りか）

薫の母親。
息子を溺愛する超過保護で心配性な母親として有名。涼太のことを、次第に気に入るようになる。

笠井薫（かさい・かおる）

涼太の同級生。リカから溺愛されている。
学校では溺愛っぷりをイジられる為、母の過保護を嫌がっている。涼太に救われたことから、彼と仲良くなる。

ここが見どころ！注目ポイント

©佐藤洋寿／コアミックス

この物語の見どころは、薫が本当のお母さんを求めているところと、それに応えていく母親たちの歪んでいるとも言える愛情にあります。その姿は、狂気的に映るかもしれません。

リカも早苗も母性にあふれています。
ただし、涼太の求める母親像に対して、必至に応えようとする早苗と、自然と応えていくリカ。

その違いに涼太が気づいたとき、涼太はどのようにしてリカを求めていくのでしょうか。また、リカには実子である薫がいます。彼らの歪んでいるとも言える愛情は、どこに行き着くのでしょうか？